このコンテンツでは、今の若手の治療者にお願いして書いていただきました。お読みいただければ分かっていただけると思いますが、それぞれの先生が、お立場は異なりますが、いかに真摯に患者さんと向き合っているかが伝わってくると思います。
では、治療者をどうやって探せばよいのでしょう。心理教育は基本で、神経性過食症では認知行動療法が最もエビデンスがあり、対人関係療法も同様です。パーソナリティ障害を併存するような症例では力動的精神療法が、若年者の場合は家族療法が、衝動性が強い場合には弁証法的行動療法の適応となります。グループ療法や作業所も欠かせません。低体重の回復については摂食障害専門病棟での治療効果には異論がありません。ところが、日本には摂食障害専門病棟はなく、上記のどの療法の治療者も不足しており、さらに摂食障害を専門となると、さらに少なくなります。従って、現実的な問題として、摂食障害を専門とする治療者を見つけること自体が困難です。ですから、地域の保健所、都道府県ごとや政令指定都市に設置が義務づけられている精神保健福祉センター(「こころの健康センター」などのように親しみやすい名称になっています)、スクールカウンセラーから摂食障害治療の専門家を紹介してもらえれば、そこでの治療をお勧めします。遠距離では通院できませんし、例え入院しても退院後の治療が尻切れトンボになります。
ここまでの各項目を読んで頂ければ、それぞれの治療者がいかに粘り強く治療に関わるのか垣間見えると思います。患者さんの皆様も根気強く治療を続けましょう。
|