JSED 日本摂食障害学会
 

摂食障害の治療に関するアンケートの結果
2010年2月より2011年7月まで、当学会HP上にて回収

ご協力ありがとうございました。
当事者の症状としては、長期過食症の方の回答が43%と最も多く、次いで長期拒食症17%、短期拒食症が16%(ご本人、ご両親の回答から、摂食障害のタイプを分類)でした。
*この順に有病率が多いという意味ではなく、今回の回答者の割合です。
回答して下さった方々
ご本人(回復者を含む) 195名(うち男性6名)
ご家族 85名(うち父親10名、夫6名)
治療者、学校関係他 133名(うち男性50名)
その他 13名
 

結 果

今回の回答者のうち、治療者の約3分の2は都市圏に居住していますが、ご本人の闘病時の居住地は、都市圏と非都市圏が約半数ずつで、非都市圏では、治療者が少ない傾向があることがわかりました。

全体では、治療のために平均3.0 ヶ所の相談・治療機関を受診しており、1ヶ所で治療が完結することは珍しいことがわかりました。いくつかの機関で連携したり、より専門性の高いところへ紹介を受けるのは望ましいことですが、連携方法の充実が重要だと思われます。

質問「摂食障害の治療で最も大事なことは?」

ご本人
1 治療技術・治療チームの質
2 治療者の資質
3 心理的治療
4 当事者のサポート
5 家族へのサポート
ご家族
1 治療技術・治療チームの質
1 家族へのサポート
3 心理的治療
4 治療者の資質
5 当事者のサポート
治療者
1 治療技術・治療チームの質
2 心理的治療
2 家族へのサポート
4 医学的対応
5 治療者の資質
回答の順位(5位まで)

質問「次のようなものを必要だと思いますか」(必要と考える人の割合)

  ご本人 家族 治療者
@摂食障害専門の入院施設 51.6% 65.2% 70.3%
A就労援助、復職援助 55.4% 66.7% 55.4%
B専門の医師、看護師 77.1% 78.8% 70.3%
 

まとめ

 ここで、すべての結果をご紹介することはできませんが、摂食障害を診られる治療者が少ないこと、必要な時に入院できる病院が少な いこと、診療時間が短すぎること、薬物投与だけになりがちな傾向、社会への啓発の必要性等、多くの回答の中で、日本における摂食障 害治療に関する問題点が繰り返し挙げられました。これらの問題は、ご本人やご家族だけでなく、治療者からも指摘されました。

 治療者からは、摂食障害の本格的治療には診察時間もかかり、心身両面に手厚いケアが必要なため、診療報酬上の配慮がないと立 ち行かないのが大きな問題という意見も挙げられました。

 摂食障害の治療技術の向上、また摂食障害を治療できる専門家を増やすことは急務です。今回の結果を踏まえ、日本における治療の 改善にさらに取り組んでまいりたいと思います。

アンケートにご協力いただいた方々には、心から感謝申し上げます。回答の中に書かれていた個人的な治療相談にはお応えできな かったことは残念ですが、アンケートの趣旨からご理解賜りますようお願い申し上げます。

東京都医学総合研究所 西園マーハ文

 
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